ラリーの流れ
どうも、めぐみんです。
あと3週間ほどで新城ラリーになります。
そろそろ準備をする時期です。開催日が近づくと、ホームページ等に大会についての情報がラリーガイドや規則書案として公開されます。選手はこれを見て、出場のための準備や申し込みを行います。
きちんとしたコドライバーさんは、参加申し込みから宿の手配、チームの移動についての調整など色々とやっている様ですが、何事も適当な私は全てドライバーさんやチームにお任せで横着をさせてもらってます。「宿代がもったいないのでキャンプする」とか言うので。
なので、準備と言えば自分の荷物を用意するくらい・・・だと申し訳ないので、事前に走るSSの動画を見たり、初めてのSSの場合は、規則書等から場所を推測してストビューを見て、コースの様子を探ったりと情報収集を行います。
大会当日までは、こんな感じです。
練習は?と思われるかもしれませんが、ラリーの性質上、一般道で練習する訳にもいかないので、私は大人しくしています。何かあったらまずいですから。
ちなみに、競技で使うコースを直接下見に行きたいところですが、通常、大会の数カ月前からチーム関係者含めて事前走行が禁止されます。違反した場合、参加拒否されるので諸々含めてやめています。
以前、自宅前の道がコースに設定された人がいました。
今回は、ラリーがどのように進んでいるのかについて説明します。
1.レッキ受付・レッキ
レッキとは、下見のことです。全日本戦の場合、各コースを2回走行することが出来ます。基本的に1回目の走行でペースノートを作成し、2回目は作成したノートで走り、感覚と合わない箇所を修正します。
競技自体は始まっていますが、本番ではないため普通の速度で走行します。
また、レッキできる時間が決められているので、すべてのコースを回るために、1回しか走らない・走れないこともあります。
レッキには、本番同様ラリーカーを使うこともありますし、レンタカーでのレッキが指示されることもあります。
ペースノートとは、
・曲がる方向
・ハンドルの切角
・コーナー間の距離
・道の状況 など
を文字や記号で表します。
ドライバーがコースを走りながら、道の状況を読み上げ、コドライバーがノートに記入していきます。記入方法に決まりはなく、お互いが見て理解できればどのような書き方でも問題ありません。
読み上げる声が入った動画が公開されていると思いますが、走行中は日本語・英語などドライバーの好みに合わせて読み上げます。
2.参加受付
選手2名の本人確認と免許、ライセンス等の確認のため出頭させられます。やはり受付を通過しないと参加が認められません。
免許忘れて、走れなかった人を知っています。
また、ライセンスの更新忘れでその場でオンライン更新した人や、赤切符で受付した強者がいるそうです。
3.公式車検
公式車検では、クラス毎の規定に合った状態か、また、クルーの装備品や車載品が適切か検査されます。ここで規定に合致しない場合、決められた時間までに対応して検査を受けないと、失格となり出場することが出来ません。
たまに、軽くしすぎて規定ギリギリや車高下げすぎてヤバい、と言った心臓に悪いケースがあります。
地方戦などでは、車検の際にホーンが鳴らないことがラリーあるあるとして挙げられます。
4.開会式、ドライバーズミーティング
ドライバーズブリーフィングとも言います。通称ドラミ・ドラブリです。
主催者から各競技役員の紹介や、競技の注意点のほか、選手側からの質問や公表済みの内容に変更があった場合などこの場で連絡・通知があります。
ドラミには、選手の参加義務がありますので、必ず参加してください。不参加や遅刻の場合ペナルティが課されます。
開会式では、開催地の首長さんや議員さん、警察署長さんなどが来賓として挨拶されます。
5.競技スタート!
競技開始時間までにスタートリストが示され、それに従い決められた時刻に各車スタートします。
ほとんどの大会でスタートゲートが設置され、選手紹介とスタートフラッグによるセレモニーが行われます。
車検等での失格が無ければ全車通過しますので、きれいなラリーカーを見るなら、セレモニアルスタートがおススメです。以降は、サバイバル戦になりますので、あちこち凹んだり戻ってこない車が増えていきます。
スタートしたラリーカーは、指定されたリエゾン(移動区間)を通ってSS(本気で走る区間)まで行きます。リエゾンは、一般道になりますので道交法に則って走行します。
ギャラリーの中には、沿道で通過する車をひたすら見送る人もいます。すれ違い様や、沿道で手を振ると振り返してくれるので、応援がてらやってみてください。
SSでは、スタートと同じく各車にスタート時間が決められていて、基本的に1分間隔でスタートします。
何事もなければ、そのまま次のステージに進みますが、パンクした場合などSS内で交換したり、クラッシュにより止まった場合は後続車への注意喚起のため、三角停止板やジェスチャーで知らせたりしています。
また、クラッシュした車両が道を塞いでいる場合や、クルーの救助が必要な場合は、オフィシャルの到着を待ったり、緊急時には選手で協力して対応します。その場合、競技が一時的にストップしますが、コースタイムについては救済措置が取られ、クラス毎に同一のタイム等が割り当てられます。
海外ラリーの動画で、コースアウトやスタックした車をギャラリーが押し戻しているように見えますが、あれはギャラリーではなく“森の妖精”と呼ばれる存在になりますので、お間違えの無いように。
7.リフューエル(給油)
ラリーでは給油場所とタイミングも決められています。
それぞれ給油場所までの燃費を計算して、必要量を給油します。給油は一般のガソリンスタンドを利用します。
リエゾンとSSで燃費が変わるため、それぞれ計算していますが、走り方で増減するので給油時にメーターを見ながら調整しています。
8.サービス・リグループ
サービスとは、レースで言うところのピット作業になります。
車両のメンテナンスや選手の休憩のため、おおよそ朝・昼・夕くらいのタイミングで設定されています。メカニックさんは、制限時間の中でタイヤ交換から板金レベルまで、ゴールへ辿り着けるよう、必死に整備してくれます。
制限時間ギリギリまで作業して、車両を送り出す様子は感動ものです。
その間、選手は休憩時間になりますが、その後のSSの確認やタイム差による戦略など、やはり勝ちを目指して時間を有効に使います。
選手にサインをもらったり写真撮影をするならば、このタイミングですが、あくまで競技中なので了解を取ってから行ってください。
また、サービスパーク内の通路は車両も通行しますので、見学の際は邪魔にならないよう注意してください。
リグループとは、ラリーカーの出走順を整えるための時間調整のエリアになります。
通常スタート時は1分間隔ですが、何らかの事情で時間が空いたり、リタイアにより前後の車両がいないなどの場合、このエリアでの待機時間を調整することで1分間隔に戻しています。
9.フィニッシュ・パルクフェルメ
無事に走り終え、会場に戻ってくるとゴールのセレモニーになります。
スタートと同じくゲートをくぐったり、ゴール時点の暫定のタイムで表彰式を行います。
ゴールした車両は、そこで終わりではなく、入賞者を対象にした車両検査と全車対象の車両保管があります。検査は、競技中に違反となる改造をしていないか。保管は、順位が確定するまで車両に手を加えないよう、それぞれこのような処置がとられます。
抗議書が出された場合など、車両チェックや当該選手に聞き取りが行われます。
また、競技期間が2日以上にわたる場合は、やはり手を加えるのを防ぐために、夜間の車両保管(オーバーナイトパルクフェルメ)が設定され、夕方のサービス終了後にそこへ車両を移動させ、翌日のスタートまで主催者側の管理下に置かれます。
以上が、ラリー開催時のおおよその流れになります。
最初はややこしいと思いますが、基本的なことはWRC含め同じ流れになります。観戦に行く場合は、観戦情報のほかにラリーの進行状況が理解できるようになると、楽しみ方の幅が広がると思います。
また、参戦する場合は、遠慮せずに経験者や他の選手に聞くことも大事です。実際に全日本ラリーの現場でも、待ち時間に前後の選手と時間確認や情報交換を行っています。
ご要望があればもうちょっと詳しく説明できますので、ご連絡ください。